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ピアボーナスとは?|従業員のモチベーションを高める仕組み

ピアボーナスは、従業員同士が賞賛や承認とともに少額の報酬を互いに送り合う仕組みです。
今までの給与制度にはなかった新しい仕組みで、業績に直結しないような日々の行動も評価されるため、従業員のモチベーションの向上などにも繋がり、近年注目を集めています。

目次

ピアボーナスとは

ピアボーナス

ピアボーナスは、仲間や同僚を意味するPeer(ピア)と、報酬を意味するBonus(ボーナス)を組み合わせてできた言葉で、従業員同士が日常の行動や貢献に対して報酬を与え合う仕組みのことです。

報酬の種類はさまざまで、金銭に限らず、ポイント、社内通貨などがあり、「第3の給与」とも呼ばれます。
協力してもらったときの感謝の気持ちや、成果に対しての賞賛などを、報酬として従業員が自分の意思で付与できるものです。業績や数値に反映されないものにも適用でき、管理職や人事では認識しにくい現場の細かい貢献を評価できるのが特長です。
米Google社が従業員の評価指標として導入していることで話題を集め、国内でもスタートアップ企業を中心に導入企業が増えています。

ピアボーナス導入の効果

メリット

業績に直結しない良い行動の称賛と可視化

従来の評価制度では、金額や達成率などの定量的な成果や、上司が実際に目で見た仕事ぶりのみで評価が下されることが多く、数字で表すことができない成果や、直接的に業績には直結しない良い取り組みなどは評価が難しい傾向がありました。
ピアボーナスを導入することで、仕事を円滑に進めるための取り組みや、顧客のための行動というような、普段なかなか評価しにくい定性的な成果も、従業員同士で評価されやすくなり、誰がどういった貢献をしているか可視化されます。

モチベーション向上

金銭やポイントという金銭的な報酬と、賞賛や承認という非金銭的な報酬を同時に与えることができます。
金銭による報酬という外発的動機付けは、即効性がありますが、維持されず一時的な効果であることが分かっています。
職場の仲間や同僚から自分の仕事ぶりを評価される、賞賛や感謝が可視化されることは内発的動機づけになり、社員の仕事に対する自信や、やりがいを高めます。
外発的動機付けと内発的動機付けが同時に実現されることで相乗効果が生まれ、持続的なモチベーション向上につながります。

社内のコミュニケーション活性化

感謝や賞賛を気軽に相手に伝えるようになると、自身の所属する部署だけでなく、今まであまり交流がなかった他部署とのコミュニケーションが図りやすくなります。
ピアボーナスを通してお互いの部署が果たす役割や仕事内容に関心が高まることで、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。
また、従業員同士がお互いを褒め合い、尊重する文化が生まれることは、組織風土の改善にも繋がります。

従業員エンゲージメントの向上

ピアボーナスを通じて、評価の権限の一部を従業員に任せることは、経営層への信頼や仕事に対する意欲向上に繋がります。
また、職場の仲間や同僚から自分の仕事ぶりを評価され、賞賛や感謝が可視化されることで、仕事に対するやりがいが高まり、結果、従業員エンゲージメントの向上に繋がることが期待できます。
日々のやりとりの小さなことでも「ちゃんと評価されている」と貢献を認識できることで、他者に対する興味・関心もわいてきます。上長からの評価だけでは決して得ることのできない効能です。

デメリット

導入コストがかかる

ピアボーナスを導入するにあたり、専用のサービスを利用すれば当然のことながら初期費用やランニングコスト、そして運用体制の構築と人的コストなど様々な費用のコストが発生します。また、ピアボーナスの報酬を現金として支給する場合、報酬のための原資を確保する必要があります。

運用工数がかかる

ピアボーナスは、サービスを導入して現場に任せるだけはうまく回りません。適切に運用するためには、導入理由や背景、運用方法などを適切に設計し、管理する必要があります。そのため、人事組織や担当部署で運用を根付かせるための工数が発生します。

従業員が評価を意識し過ぎる

ピアボーナスは報酬に反映されることから、「社内で評価される事」に意識が向いてしまう従業員が出てくるリスクもあります。
例えば、本来やるべき業務がおろそかになり、評価されやすい業務ばかりを進めるなどの行動が目立つケースもでてきます。従業員同士の評価制度とは言え、過剰な評価を生まないよう、運用ルールにおける管理が必要です。

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