「セレンディピティ( Serendipity )」は偶然の出合いや予想外の発見を意味する言葉です。
科学の世界では努力の先の偶然による大発見が生まれることも多く、良く使われてきました。
近年、日本でもビジネス用語として使用されるようになり、組織開発や人材育成の文脈においても、セレンディピティは度々登場するようになりました。
Apple本社は、セレンディピティが起こるように設計されていることで知られており、オフィスでのコミュニケーションによって発生するセレンディピティは、オフィスの価値の重要な一つでした。
新型コロナウィルスにより、Zoomなどを利用したオンラインでのコミュニケーションが主となる世界となり、偶発的に起こるセレンディピティが大きく損なわれてしまっています。
新しい働き方において、セレンディピティを確保するにはどうしたらよいか、経営者や人事にとって現在大きなテーマになっています。
セレンディピティとは
求められていない、意図的でない、思いもよらない、幸運な偶発的に起こった出来事や経験。
「セレンディピティ」の意味は「偶然の幸運、幸運な偶然を手に入れる力」
セレンディピティとは、「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」あるいは「幸運な偶然を手に入れる力」を意味します。2つの意味を含んで用いられることもあります。
語源
セレンディピティ(英語「serendipity」)は、イギリスの政治家、貴族、小説家であるホレス・ウォルポール氏が、1754年に生み出した造語とされ、彼が子供の頃に読んだ3人の王子の知恵と機転で人生が好転した話が書かれた、ペルシャ童話『セレンディップの3人の王子たち(The Three Princes of Serendip)』にちなんで名付けたものとされています。
出典:wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%94%E3%83%86%E3%82%A3
セレンディピティはリアルでないと起こせないのか?
セレンディピティを生む、オンラインでのオフィスのあり方はまだ答えが出ていません。
しかし、すでにリアルの世界でなくとも、オンラインでセレンディピティは起きています。
デジタルの場でのセレンディピティの代表例はECです。
Amazonのレコメンドや関連レコメンドや関連商品から、当初買うつもりでなかった商品を買ってしまった経験はないでしょうか?
SNSの「投稿」がきっかけで、「この商品いいな!」「こんなお店があるんだ!」という出会いがあったり、実際に買ったりした経験がある方もいると思います。
これは、セレンディピティそのものであり、デジタルの場でもリアルの場と遜色ないセレンディピティを起こす分野も既に存在しています。
今後、オフィスや組織開発、人材育成といったHR分野においても、デジタルでのセレンディピティを実現するサービスや仕組みが生まれることは十分に考えられます。
セレンディピティを起こりやすくする方法
- 新しい出会いの場には顔を出す
- チャンスが起こりやすい場所を見極める
- 保守的にならず、新しいことにチャレンジする
新しい出会いの場には顔を出す
人とのつながりほど、チャンスを生み出す理由はないかもしれません。毎日がルーティン化すると、他人と話しをする機会はほとんどないのではないでしょうか。
きっかけはどんな形でも構いません。他人と話す場には顔を出しましょう。
チャンスが起こりやすい場所を見極め、適切な場所に身を置く
偶然とはいえ、チャンスが起こりやすい場所と起こりづらい場所があるのは容易に想像できるはず。自分の求めるものに関係ある人と出会いたいのであれば、その場所の真ん中に身を置きましょう。
保守的にならず、挑戦心を持つ
保守的な考え方をしている限り、チャンスは訪れにくいでしょう。また、チャンスが表れても、それを活かせないまま終わるかもしれません。
やる前に色々と考えすぎて結局行動に移せないという人が多いので、目標達成に向けて何か思い立ったらとりあえずやってみることも大切です。
まずはやってみることで新しい発見が得られるようになり、セレンディピティが起こりやすくなります。
もちろんその行動が失敗に終わることもあるかもしれませんが、それも重要な発見の一つとなるのです。