部下の不満の聞き出し方|不満を直接聞いたところで、部下は本音を話さない

近年、従業員サーベイを実施する企業が増えています。
管理職は、サーベイ結果をもとに、部下の不満をヒアリングし、改善しようとします。
ところが、「部下に聞いた不満を潰しても組織のスコアが良くならない」といった悩みをよく聞くようになりました。いったいなぜなのでしょうか?
今回は部下の不満の聞き出し方のコツについてご紹介します。

目次

部下の不満を聞く際の3つの心構え

① 外ではなく内に原因があるかもしれないと考える

原因が「外(制度や環境)」ではなく、「内(自らの上司としての言動」にあるかもしれないと認識しておくことが大切です。
少しつらい作業かもしれませんが、そう思っておくことで、広い視野で原因を考えることができます。
また、メンバーと対話する際も、自分自身に原因があるかもしれないと考えているか、自分の外にしか原因の目がいっていないかでは、メンバーに対する質問が変わってきます。
驚くことに、自分の外に原因があると無意識に思ってしまっているマネジャーは多く、メンバーから働き方などの制度や環境に対する不満が出てくると、不満が分かった!とすぐに判断してしまう方がいます。
しかし、それはメンバーが、上司に面と向かって言いやすかった不満で、本当の不満ではないかもしれません。
本当の不満ではないことの解決に取り組んでも、大した変化は期待できません。

② まずはマネジャーとして、できていない行動がないか内省する

メンバーに不満を聞く前に、まずはあるべきマネジャーとしての行動や発言と、自身の言動にギャップがありメンバーの不満になっていないか内省しましょう。
チームの役割や目標をメンバーに周知し、それをブレイクダウンして各メンバーに業務を割り振り、業務遂行のための適切な支援をし、人材を育て、チームとして成果を出すことがマネジャーの役割です。
そうした行動をした上で、なんらかの不満がチームの生産性や協力関係、業績達成などに悪影響を及ぼしているなら、取り除くよう努力するのが本来のあり方です。
サーベイ結果をもとに、不満をすべて潰そうと考える方がいますが、メンバー全ての不満を解消することがマネジャーの役割ではありません。
不満を潰すことから組織改善をスタートしなくても、マネジャーとして正しい行動や発言をすることで、チームに在るさまざまな不満が解消されることもあります。
まずはサーベイ結果をもとに、あるべき理想とする姿と、現状とのギャップについて考えましょう。

③ 上司は不満を解決する人で、部下はそれを期待する人の構図になってはいけない

上司が「何が悪い?どうしたらいいと思う?」と聞いてばかりだと、部下の態度が傍観者になってしまいます。
本来上司としては、一緒に組織を良くするために、部下にも主体的に役割を発揮して欲しいはずです。
ところが不満のヒアリングだけだと、不満は上司が解決してくれるものだと期待するようになります。
その結果、当事者意識がなくなってしまいます。
マネジャーが組織を良くしようと、メンバーへの不満のヒアリングを続けた結果、逆にチーム状態を苦しいものにしてしまうケースは少なくありません。
上司は部下に対し、「あなたはどう貢献できるか?」「どのような形なら協力してもらえるか?」という、課題解決のためのチームへの貢献を求める姿勢を忘れないようにしましょう。

部下の不満の聞き出し方

メンバーがどのように感じているか、実態を確認する姿勢はとても良いことです。
しかし、「不満を聞く」という姿勢はあまり得策ではありません。

不満を聞くことの落とし穴
  • メンバーに直接聞いたところで本当の不満を答えるわけではない(答えやすい不満を口にする)
  • 本当はたいした不満がなくても、不満について聞かれると不満を作り出してしまうことがある
  • 質問者本人(上司)への不満は聞き出しにくい

サーベイ結果を元に、上司がメンバーに不満を聞くと、制度や環境への不満は出てきても、上司に対する不満はなかなか出てきません。
面と向かって上司の不満を口にするのは、メンバーにとってハードルが高すぎます。
つまり、メンバーが上司に話せる不満は、話しやすいだけで、彼らの中でプライオリティが高くない問題かもしれないのです。

働きやすさやワークライフバランスといった環境や制度に関する不満は、比較的本音を聞き出しやすいため不満を聞くアプローチが有効な場合もあります。
それでも、メンバーの働きやすさが損なわれている原因が、上司の判断や意思決定の仕方、仕事の進め方などであれば、それらを聞き出すのは難しいでしょう。
上司の発言や行動が関係する不満は、メンバーからは聞き出しにくいです。
漠然と「何が問題だと思う?」と、課題や不満について聞いても中々出てきません。

不満や課題の聞き方の例
  • 〇〇に課題があるのではと思って、こういうことをやろうとしているんだけどどう思う?
  • 〇〇はこういった意図で行っているんだけど、どう感じてる?
  • 〇〇ができていなかったと思っていて、こう改めようと思うのだけどどう思う?
  • 今回〇〇が低かったのだけれど、自分がチームの役割や目標をみなに伝えられていないことが原因だと考えているんだけれどどうだろうか?


上の例のように、直接サーベイ結果の「項目」や、漠然と「原因」について聞くのではなく、具体的な「行動」や「推察」に焦点を当てた聞き方をすると、上司への直接の批判にならないため、メンバーは答えやすくなります。
また、「自分のこういうところは問題だ」と自らの問題を指摘することで、上司自身に矢が向く指摘を受け入れる姿勢が伝わり、上司へ指摘することへの安心感が生まれます。
上司本人から問われているわけなので、答えて問題ないとメンバーは感じることができます。


いかがでしたでしょうか?
サーベイ結果などをもとに、メンバーがどのように感じているか確認する姿勢はとても良いことです。
しかし、聞き方を間違えると本当の課題にたどり着けず、あまり意味のない方向で努力してしまったり、間違った方向にチームの舵をきってしまう可能性があります。
これまでストレートに部下の不満のヒアリングをしていた方は、ぜひ今回のコツを参考に、質問の仕方を工夫してみましょう。きっと新しい発見が生まれるはずです。

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