1on1で部下が話してくれないと悩んだ時にマネジャーがすべきこと|会話を引き出すコツ

ここ数年1on1を導入する企業が増えています。
一方で、「傾聴しようとしているがなかなかメンバーが話をしてくれない」「コーチングしても話が出てこず、結局自分が話すことになってしまう」こうしたマネジャーの悩みは少なくありません。
今回は、自らを振り返るべきポイントと、1on1で部下から会話を引き出すコツについてご紹介します。

目次

まずは十分待てているか考えよう

部下が話をしてくれないとき、管理職がやりがちなのは、沈黙の間を我慢できずに自分から話はじめてしまうことです。
ずいぶん待ったのだけど、、というケースもあると思いますが、それでも不十分な可能性があります。

同じ時間でも、「上司が感じる時間感覚」と、「部下が感じる時間感覚」は異なります。
上司が部下に質問を投げかけた場合、質問する側である上司の思考は早く、回答する側である部下の思考は遅くなります。
部下は上司の口から出てきた問いを、聞いてから考え始めます。
問うべき事柄を認識し、何らかの答えを求め質問している上司と、問いを聞いてから考え始める部下とでは、考え始めるスタートラインが違います。
思考に要する時間の感覚、つまりは沈黙の体感値にズレが生じます。

上司が、部下が何も発言しないなとヤキモキしている時、部下は考えをまとめているのかもしれません。
ここで上司がイライラしているのが伝われば、部下は焦ってしまい正常な思考ができなくなります。ますます沈黙の体感値はズレていきます(部下にとっては時間が足りなく感じます)。
沈黙が起こってもそれを受け入れ、待ってみてください。
沈黙を待てていないことが原因であれば、イライラせずに部下の発言を待つだけで解決します。

上司は自己開示をしているか

上司は「自分自身は自己開示をしているか」ということについて考えてみましょう。

人は相手のことを良く知らないのに、自分のことをペラペラと話そうとは思いません。
上司は部下に価値観やキャリア、やりがい、家族、働き方について問いかけをしている一方、部下は上司のそうした面について何も知らないとします。
その場合、「自分だけ」自己開示を求められる部下は良い気はしません。適当に話を流したい、なんでそんな話をしなければならないんだと思っているはずです。

お互いを理解する、歩み寄るから「対話」は生まれます。
上司は自分語りばかりになってはいけませんが、自分を知ってもらおうとする努力も必要です。
部下に自己開示をすることに抵抗がある上司もいるかもしれません。
しかし、部下も同様に上司に対して自己開示することには抵抗があります。

最初の1on1でするのは業務の話ではなく、「なぜ会社に入ったのか」「家族」「どんな勉強をしていたのか」「何をやりたいのか」といった、その人の考えや価値観に関連する話を、お互いに行うのがよいでしょう。
上司を知るからこそ、部下も自己開示しても良いと感じ、心を開いてくれるのです。

聴く姿勢ができているか

部下に関心を持ち、会話に集中できていますか?
話を聞きながらメール処理をしていませんか?
部下の話を遮ったり、結論を推測して部下の話が終わる前に被せて話し始めたりしていませんか?
実は、部下に対して、こうした会話の癖を持つ上司は多いのです。

上司が集中して聞いてくれているかを、部下は敏感に感じ取ります。
部下が何を話そうとしているのかに耳を傾けましょう。
部下からの発言を引き正したい時は、上司の考えや価値観を押しつけたり、相手を正したい、誘導したい欲求は脇におきましょう。

普段パソコンでメモを取るのが普通になっているため、キーボードを打ちながら部下の話を聞く上司も多いと思います。
1on1支援のITツールもさまざまあり、WEBシステム上に毎回メモを入力するケースも増えています。
しかし、上司がキーボードを叩きながら相手の話を聞くのは、部下と対話をしたい場合にはオススメしません。どうしてもパソコンの画面に顔が向いてしまいます。
相手の目を見て話を聞く方が、真剣に話を聞いてもらっているという感情を部下に与えることができます。

上司の「聴く姿勢」は、あなたを尊重している、大切に思っているという無言のメッセージを部下に対して発しているのです。

普段聞く耳を持たない上司になっていないか

1on1では話を聞きたいというわりには、普段は部下の話に聞く耳を持たない上司になっていませんか?
普段ろくに部下の話を聞かない上司なのに、1on1の時だけ対話姿勢というのは無理があります。
部下は1on1での上司の対話姿勢を偽りだと思うでしょう。
こうした上司に対しては、部下は期待を持てないので、自己開示する意味を感じられません。
1on1だけでなく、部下に対する普段の言動、態度についても見直しましょう。

沈黙は悪いことではない

心理学やカウンセリングの世界で「沈黙」は悪いことではありません。
聞くことにおいて重要であるとされ、下記のような効果があります。

聞き手が、話し手の言いたいことを受け止める準備があることを感じさせる

沈黙でも聞き手が聞く姿勢を崩さないことは、相手への関心を伝えることができます。

話し手は考えを深められ、聞き手はより多くのことを引き出せる

沈黙が与えられると、話し手はこれまで考えなかったようなことにまで、より深く考えを発展させることになります。
聞き手は、沈黙がなかった場合に比べより多くのことを、話し手から引き出せる可能性が高まります。

話し手に聞き手と関わりを持とうとする気持ちを起こさせる

話を聞くために聞き手が沈黙して待ってくれていることは、話し手に自分は大切に扱われていると感じさせます。
話し手に、聞き手と関わりを持とうとする気持ちを起こさせます。
心理学でいう返報性の原理(相手から受けた好意や敵意などのアクションに対して、お返しをしたいと感じる心理)のようなもので、自分が受け入れられていると感じると、人はそれに報いようとするのです。

視点の違いを調整する余裕を生む

沈黙は、聞き手による、話し手を尊重する姿勢の表れです。
話し手が、聞き手を好意的に捉えることに繋がります。
お互いが歩み寄ろうとする姿勢は、普段反発してしまう視点の違いを調整する心理的余裕を生みます。

相手の話したことについて考えることができる

沈黙の間の中で、聞き手が聞くことに集中していれば、これまで発言された内容についてより深く考えることができ、新たな発見や話し手の理解に繋がります。
聞き手はただ待つ、待ってイライラするのではなく、沈黙の中で思考することが重要です。

沈黙を受け入れ、聴く姿勢を実践する

いかがでしたでしょうか?
部下が話してくれない時、今回取り上げた内容でできていない部分があれば変えてみましょう。
きっと良い変化が生まれるはずです。
効果的な1on1・対話は、部下と良好な関係を築き、モチベートし、チームを成功に導きます。
1on1・対話はマネジメントの有効な手法です。諦めずに継続していきましょう。

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