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価値観とは|メンバーのやる気を引き出す価値観理解

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多様化時代のマネジメントでは部下の価値観理解は必須

新卒入社した企業で定年まで勤め上げるという働き方は、既に一般的ではなくなりました。雇用は流動化し、キャリアアップのために転職する、組織に属さずフリーランスで仕事をするなど、自身の価値観に合う働き方を選択できるようになりました。
そのため、我慢してまで同じ会社で働き続けたいと考える人は減り、マネジャーにとってはマネジメントの難易度が上がってきています。
ひとりひとりの価値観の違いを前提にしないとマネジメントできない時代へと変わってきたのです。

多様な価値観を持つ部下をマネジメントするためには、ひとりひとりの価値観の違いを認め、理解することが必要です。
今回は、価値観の違いを認めた上で、メンバーの価値観を理解する方法についてご紹介します。

価値観理解はマネジメントの基本|メンバーの働きがいを高める

価値観とは

何に価値を認めるかという考え方。
善悪・好悪などの価値を判断するとき、その根幹をなす物事の見方。

上記が、広辞苑の定義です。
つまり、部下の価値観を理解するとは、部下ひとりひとりが良し悪しをどう判断し、何に価値を感じるかを知ることです。
部下が価値を感じることが分かれば、格段にマネジメントしやすくなります。

例えば、仕事を任せる時。
部下がどんな仕事に価値を感じるかが分かれば、複数ある業務の中からアサインする業務を選べます。
また、任せる際に、動機づけにつながる一言を添えることもできます。

部下の仕事を承認称賛する際にも役立ちます。
相手がポジティブ思考で、主体的で仕事に取り組んでいる場合は、難しい仕事をやり遂げた時、成果が出た時にその結果を称賛するのが良いでしょう。
逆に、あまり自信がなく慎重なタイプの部下は、仕事のプロセス(進め方や考え方)を承認するコミュニケーションが効果的にはたらきます。

このように、部下の価値観に合う仕事を任せ、部下に響く承認称賛ができれば、あなたの組織は部下にとって働きやすく、働きがいを感じる組織になっていきます。

メンバーの価値観を理解する方法|ストレングスファインダー

価値観を理解すると言っても、部下の全てを理解するのは不可能ですし、マネジメントに活かす目的では、全てを理解する必要はありません。
そこで今回は、部下の価値観をパターン化して捉えたり、ツールを用いて理解を促進する方法をご紹介します。

4パターンで捉える「ソーシャルスタイル理論」

大まかな傾向を簡易に知りたい場合は、ソーシャルスタイル理論がおすすめです。
ソーシャルスタイル理論は、アメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。人の言動を4つのスタイルに分けて分析し、相手が望ましいと感じる対応を探し、選択する方法として活用されています。
「意見」と「感情」の強弱で4つのタイプに分けるもので、ネット上で無料で診断できるツールもあるので、最初のきっかけとして役立ちます。

ソーシャルスタイル理論
  • ドライビング:意見を主張、感情を抑える。プロセスより結果重視
  • エクスプレッシブ:意見を主張、感情を出す。積極的にチャレンジ
  • アナリティカル:意見を聞く、感情を抑える。慎重に分析して行動
  • エミアブル:意見を聞く、感情を出す。全体の調和を重視

34の資質を知る「ストレングスファインダー」

より詳細に部下を理解してマネジメントに活かしたい場合、米Gallup社のストレングスファインダーの活用も有効です。
ストレングスファインダーは、ひとりひとりの強みや才能を発見するのに役立つツールで、アンケートに回答するだけで全4分類・34資質の中から、受験者の強みや資質を発見することができます。
書籍『さあ、才能(自分)に目覚めよう』に付属のアクセスコードや、公式サイト、公式スマホアプリから受験可能です。

ストレングスファインダーの4分類
  • 実行力の資質:物事を成し遂げることが得意
  • 影響力の資質:人に影響を与えることが得意
  • 人間関係構築力の資質:人間関係を構築することが得意
  • 戦略的思考力の資質:頭の中で考えることが得意

ストレングスファインダーの34資質

ストレングスファインダー

書籍には、34の資質ごとに、その資質を持つ人の活かし方も解説されています。
例えば、「原点思考」を強みとする人の場合、「この人に何か用件を頼むときには、その経緯を丁寧に説明する。この人は物事の原点や背景が理解できないと、イエスとは言わない。」など。
知っていれば、仕事を任せるタイミングで、背景をしっかり説明しようと思うようになるはずです。

ストレングスファインダーは有料(約2,000円)で、アンケートに30分程度かかるため、部下に強制は難しいと思います。
そのため、まずはマネジャー自身が体験してみて、その結果を開示しながら部下に薦めてみるのが良いでしょう。
部下を理解して組織運営に活かしたいという想いが伝われば、受けてみようと思う部下も少なくないはずです。

ご紹介したツールは、部下の価値観を知るきっかけになりますが、100%正しい結果が出るとは限りません。
そのため、結果を鵜呑みにせず、まずは本人の解釈を聞いてみましょう。
「一部、自分の願望が入っている印象」「この資質は意外だった」など、本人の納得度が低い場合も、本人の解釈を聞くことで部下への理解が深まります。

ぜひ、ツールも活用しながら部下の価値観を理解し、マネジメントに活かしてみてください。

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