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成長したくないメンバーとの向き合い方|Z世代、ミレニアル世代のマネジメント

「成長とか求めてないです」「マネジャーになりたくない」、そんな若手が増え、より一層マネジメントを難しくしています。
今回は、Z世代、ミレニアル世代の価値観の変化と、成長したくないメンバーとどう向き合うか? その対処法について解説します。

目次

Z世代の仕事への価値観はどうなっているか?

Z世代の仕事への価値観はどうなっているのでしょうか?
マイナビの『2023年卒大学生のライフスタイル調査』によると、大学生の仕事の優先順位は年々低下しています。

人生において優先度の高い要素を見てみると、2017年に2位だった仕事(31.8%)は、2023年では6位(17.0%)と大幅に下落しており、価値観が大きく変わっていることが見て取れます。

また、全体的に社会的な地位や名声を得ることよりも、家庭を持つことや安定した暮らしを求めている状況が伺えます。

Z世代の人生において優先度の高いもの(上位2つ)
  • 1位:家族(44.8%)
  • 2位:自分(32.9%)
  • 3位:趣味(28.0%)
  • 4位:友情(24.5%)
  • 5位:お金(22.2%)
  • 6位:仕事(17.0%)
  • 7位:遊び(14.9%)
  • 8位:恋愛(11.0%)
  • 9位:周りの評価(3.2%)
  • 10位:プライド(1.4%)
引用:『2023年卒大学生のライフスタイル調査』https://career-research.mynavi.jp/column/20220407_25603/

プレイヤーとして優秀だからこそ生じる部下との認識ギャップ

プレイヤーとして活躍していたマネジャーは、「仕事は頑張るのが当たり前」「仕事を通じて成長したい」と、多かれ少なかれ部下も思っていると考えがちです。

しかし、現実には「出世したくない」「成長したいなんて考えていない」「プライベート重視で仕事はそこそこにしたい」「もう出世は望めないので頑張っても仕方がない」等、さまざまな考えを持つ部下が発生します。
特に、前述した通りZ世代やミレニアル世代と呼ばれる若者の間では、仕事の優先順位は年々低下しています。

そんな時、部下をモチベートしようとして、マネジャーは自分の考えや経験(昔話)をつい語ってしまいます。
ところが、相手を理解するコミュニケーションを飛ばしてしまったその訴えは、部下には響きません。

そこで重要になるのが、部下の意見をいったん受け入れる、考えている背景を理解する姿勢です。

マネジャーが陥りがちな失敗

マネジャーを目指そう、トップセールスを目指そう、これができたらどこでも通用するようになる、そんな語り口で部下をモチベートしようとした経験はないでしょうか?
そして、それが響いていないメンバーが少なからずいる。

そんな時、メンバーはこう考えています。
「成長とか、上を目指すとか興味ないです」「与えられた責任は最低限果たしますけどそれ以上は、、」
中には直接マネジャーに本心を伝えるメンバーもいるでしょう。

それに対し、マネジャーは良かれと思って「もったいない」「それじゃダメだよ」と否定したり、仕事のやりがいや、メンバーにとってもメリットがあるといった形で、自分の考えを力説し、なんとか興味を持たせようとします。

しかし、人の価値観は簡単に変わりません。人は自ら変わろうとしない限り変わらないのです。
無理に変えようとしても徒労に終わりますし、関係性を損ないマネジメントをより難しくしてしまいます。

否定ではなく受け止めるところからはじめる|同意はしなくていい

実際、先の項目で挙げたような、成長したくないメンバーの考えを歓迎できるマネジャーはいないと思います。
それは決して間違ってはいません。

しかし、受け止める姿勢がないマネジャーにメンバーは心を開きません。同意できなくても受け止めるしかないのです。
まずは、自分の考えを伝える前に、メンバーはどう考えているのか聞いてみる。

相手の価値観を理解する、受け止める。でも賛同しなくていい。
そんな人として関係性を築くことを疎かにせずに、まずは取り組んでみてください。

そして、背景を知った上で、責任を果たすことをメンバーに求めていく。
受け止めた上で、責任を果たすことはしっかりと求めていきましょう。

中長期的には、会話を重ねていく中で他の視点を伝えていったり、仕事で結果を重ねていく中でその人なりのやりがいを感じてもらう等で、少しずつメンバーの考えの変化を促していけると良いでしょう。

欧米と異なり解雇権が厳しく制限されている日本では、会社の仕組み上「頑張らない社員」を排除することができません。
そうした中にあっては、先に述べた内容が、マネジャーができる現実的なマネジメントです。


自分と異なる考え方の部下がいた際に、否定したり、無理やり変えようとして関係性を悪化させてしまい、マネジメントが難しくなり困っているマネジャーは多いのではないでしょうか。

ひとりの大人である部下の考えはそう簡単には変わりません。
仕事に後ろ向きな部下がいた際には、信頼関係を構築した上で、ゆっくりで構わないので部下が仕事を通じて成長ややりがいを感じる状態を目指していきましょう。

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