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自分を振り返ることが難しい管理職|管理職の内省機会の作り方

従業員サーベイを実施すると、結果を受け止め、原因はなんだろう、改善するにはどうしたらいいか、という姿勢を持てる管理職と、そうでない管理職が現れます。
原因は思い当たらない、なぜだか分からない、と結果を受け止めることができず、内省が進まない管理職が一定数いらっしゃいます。
今回は、管理職が内省ができなくなる仕組みと、内省機会の作り方についてご紹介します。

目次

自分を客観視できない管理職はどの会社にもいる

あなたの会社にも、変化しない、できない管理職として、思い浮かぶ人がいるのではないでしょうか?
これまでマネトレを提供した企業でも、“必ず”サーベイ結果の悪い部分に思い当たるところがない、なぜだか分からない、と言われる管理職が一定数発生しています。
なぜ客観視や内省が苦手になってしまうのか?それは、管理職を取り巻く構造的な問題であり、発生して当然の面があるのです。

誰からも指摘されなくなる管理職

外資系企業と異なり、大半の日本企業では、一度昇進してしまうと降格になることはめったにありません。
何か不祥事を起こしたり、よほどパフォーマンスが悪いケースを除けば、少なくとも現状維持ができます。
管理職の新陳代謝が組織としてほとんど起こらないため、管理職は自身のスキルや立場について危機感を持ちにくいのです。
結果が評価される業績面は別にして、特段自身のマネジメントについて内省しなくても、管理職という立場でいられるのが実情です。

加えて、管理職は立場が上がって行くほど、自分に対して指摘をしてくれる人が少なくなります。
メンバー時代は上司や先輩等、周りの方が色々とお節介を焼いてくれましたが、管理職になると指摘をしてくれる人が一気に減ってしまいます。
特に、長年管理職をしているベテランともなれば、周りに耳の痛いことを言ってくれる人はもはやいなくなります。
会社組織の構造的に、管理職は指摘されにくく、それ故に客観視する機会がどんどん少なくなってしまうのです。

振り返りができない管理職の事例

大手企業のグループ会社で課長職をされている40代後半のAさんも、従業員サーベイの結果を受け入れることができなかったひとりです。
サーベイの結果を見たAさんから、マネトレのコーチに対して「課題の原因となることが思い浮かばない」と相談をいただきました。
この質問自体は良くある質問です。何もないところから原因を考えるのは難しいため、コーチから、課題を引き起こしている原因として考えられることを複数お伝えしました。
すると、Aさんから「自分に当てはまると思うものはひとつもない」との返事がありました。
コーチからは、サーベイの結果は事実であり、事実として受け止めなければいけないこと。なんらかの原因は存在していること。どうやって内省していくべきか、についてお伝えし、Aさんも改めて週末時間を取って考えてみるとの返答でした。

こういった原因に思い当たることはありませんか?との質問に対して、「ここはできていないかもしれない」と考える管理職は6,7割です。
このコラムをお読みいただいている方は、いや、自分は全てできている、と言える人はちょっとおかしい、中々そんなことは言う人はいないよと思うかもしれません。
しかし、どこの会社の管理職でも、そういった内省ができない方が一定数発生しおり、サーベイ結果に対し「自分には思い当たる原因がない」と答えられる方が、実際にこれまで何人もおられました。

さて、先ほどのAさんはどうなったかというと、その後、思い当たることが見つかったとしてご報告をいただき、改善に向けて取り組んでいくことになりました。
Aさんは、週末奥様にメンバーからのアンケート結果について話をしたところ、そんなのあなたが他人の話を最後まで聞かないからに決まっていると言われたそうです。
そこで、Aさんは改めて自分を振り返り、「最後まで相手の話を聞かないまま、自分でその先を解釈し、自分の意見を話し始める」というコミュニケーションの癖に気づいたそうです。

管理職にも相談できる相手が必要

管理職は、組織の構造的に、客観視をするのがどうしても難しくなってしまいます。
そのため、管理職がマネジメントとして機能していくためには、サーベイのような客観的データや、指摘をしてくれる・相談できる相手が必要です。
年に1度の360°サーベイ研修を通じて、管理職に客観視させ内省させる場を設けている企業もありますが、年に1度の機会では、1回の気づきにはなっても、日常的に使えるレベルまで持っていくのは難しいのが実情です。

一度限りではなく、恒常的に管理職が自分の客観視や内省ができるようにするためのサポート、相談や気付きを与えてくれる機会をどう作っていくか。
マネジメント変革に取り組みたい企業においては、重要なテーマになるのではないでしょうか。

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