「褒める」という行為は、チームの雰囲気を明るくします。
しかし、褒めることに対して苦手意識のあるマネジャーが少なくありません。
今回は、メンバーの褒め方や、マネジメントで使える「褒め言葉まとめ」をご紹介します。
「褒める」はメンバーの承認欲求を満たす
承認欲求は、人の根源的な欲求の1つです。
人は褒められると、脳内にドーパミン(快楽物質)が分泌され、脳が直接的に快楽を感じます。
つまり、褒めることは、メンバーが頑張ったことへの報酬となり、「次も頑張ろう」と努力を継続させる効果があります。
あなたがメンバーを褒めようとした時、褒めるポイントが見つからないと思うことはありませんか?
そう感じる方は、称賛(褒める)だけでなく、承認(認める)を理解し、活用してみてください。
褒めるポイントで困ることが、劇的に減るはずです。

褒め方の種類|称賛(褒める)と承認(認める)
称賛とは、褒め称えること。行為や行為の成果が素晴らしいものであると称えることです。
「素晴らしい」というニュアンスを含むせいか、この程度で褒めて良いのか?とハードルを高く感じてしまうことが多いようです。
そんな方には、良いことを良いと認める「承認」がおすすめです。
誰かと比較して素晴らしいかどうかと悩む必要はなく、良いと感じたことを素直に良いと伝えればOKです。
承認欲求とは、他者から認められたいという欲求。
良いことを良いと認める「承認」にも、褒めるのと同じ効果があります。
承認には5段階のレベルがあります。
- 結果承認|成果や結果を認める
- プロセス承認|仕事の過程(プロセス)を認める
- 行動承認|望ましい行動を認める
- 意識承認|意識や取り組み姿勢を認める
- 存在承認|存在自体を認める
①から⑤の順番で承認レベルを下げていくと、承認できるポイントを見つけやすくなります。
それぞれどんな褒め方があるのか、褒め言葉の具体例と合わせて紹介していきます。
① 結果承認|成果や結果を認める
- さすが●●さんだね!今期も期待してるね。難しいコンペだったけど、よく受注できたね!
- ついにプロジェクトやり遂げたね。本当にお疲れ様!
- 仕事が早くなったね。
- 難しい顧客にも粘り強く提案できるようになったよね。
- ●●さんが作る資料はいつもわかりやすいね。
- 顧客対応の早さが顧客からの満足度につながっているね。
- 計画通りにプロジェクト進行できたのは、●●さんのおかげ。ありがとう!
- あの時の●●さんのアイデアが成功の鍵だったね。
② プロセス承認|仕事の過程(プロセス)を認める
- 関係者と上手く情報連携できてるね。
- 目的や意図をきちんと伝えてるから、仕事の手戻りが少ないね。
- 論点はきちんと洗い出せているから、細部を詰めていこう。
- 原因に合った解決策になっているので、実行に移していこう。
- マイルストーン通り順調に進んでいるね。
- 着実に前進してるね。この調子で頑張ろう!
- 今回は失注だったけど、顧客のニーズを捉えた良い提案内容だったよ。
- 目標には届かなかったけど、最後の追い込みは凄かったね。
③ 行動承認|望ましい行動を認める
- 今月の行動量すごいね!
- 報連相のタイミングが早いから安心して任せられる。
- 最近絶好調だね!
- 仕事ぶりから自信が伺えるね。
- 顧客目線にたった提案ができていて、私が顧客なら買いたいと思った。
- 判断はよかったと思う。あの場面だと私も同じ行動をとってたかな。
- いつも積極的に意見を出してくれてありがとう!
- 私の不在時、新人のサポートしてくれてるみたいだね。ありがとう!
- ●●さんの事前準備が素晴らしいから、みんなお手本にしてみて。
- この成功事例を部内で共有したいから、●●さんが工夫したポイントをまとめてみてもらえる?
④ 意識承認|意識や取り組み姿勢を認める
- その発想はなかった!よく思いついたね。
- 問題意識はその通りだと思う。具体的にどう解決するか考えてみて!
- チャレンジする姿勢とてもいいよ。フォローするからやってみな。
- 試行錯誤しながら改善しようとしているね。
- ありがとう!気が利くね。
- 気遣いが素晴らしいね。
⑤ 存在承認|存在自体を認める
- ●●さんなら安心して任せられる。
- ●●さんがいてくれるとチームが明るくなるね。
- 少し難易度の高い仕事だけど、●●さんに任せたい。
- このラインまでは、●●さんで判断して進めていいよ!
- 来期はこの方針でいこうと思うけど、どうだろう?
- ●●さんがマネジャーだったら、どうする?
- ○○部長が褒めていたよ。
- 営業同行で感じたけど、△△社からすごく信頼されているね。
- 他組織から見えづらいですが、●●さんが良い仕事するんです。
- ●●さんが同じような顧客へ提案してたよ。話を聞いてみて!
いかがでしたでしょうか。
褒めるポイントが見つからないという悩みを持つマネジャーに、メンバーの良いところを良いと認める「承認」が活用できそうと感じていただけていれば幸いです。
ぜひ、使えそうな褒め言葉から実践いただき、メンバーの動機づけに役立ててみてください。